十三潟 帆掛け船で「ごも」を集める人
十三湖の湖底に生えるアマモが「ごも」の元となる
水中で枯れたものを集めるのか、それとも刈り取るのかは分からない
母が浜に寄ってきた「ごも」を集めて広げ、乾燥させていたのは憶えているが
この写真のような大量の「ごも」を見た記憶はない。
疲れ切ったような男性の顔が、相当な力仕事だと教えてくれているような気がする。
「ごも」を浜の草原に広げて乾燥させているようす
乾燥の終わった「ごも」を集めて、今度はそれを売りに行くのだろうか。
湖畔で一休みしている男性の背中には、たっぷりの「ごも」が入った背負子。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
現在、つがる市に住んでいるが、昔々は十三湖から馬車でやって来る商人がいて
馬車で運んでくるものは「しじみ貝」「天草」「ごも」などが多かったそうである。
「ごも」は、まだ畳の無かった家では板の間に敷いて暖かくしたり
あるいはわら布団のなかに仕込んだ人もいたかもしれない。
よく乾燥した「ごも」は細く柔らかく暖かさを感じるものだった。
我が家での「ごも」と「わら布団」の記録は以前家族写真の中で紹介している
改めて見てみると、「ごも」の量も少なく、どこかへ売ってたという記憶もない。
どういう風に「ごも」を使っていたのか母に聞かなかったことがただ残念である。
・・・・・・・・・・・
「ごも」は津軽弁の中では浜や用水路に「流れ着いたゴミ」や、
あるいは魚網に絡まった木くずや草などのゴミも総じて「ごも」と呼んでいるけれど
私にとっての「ごも」は、黒くて細くて柔らかく、潮や日向の匂いがする「ごも」である。