こも編み
こもを編む
こもを作る、こもを編む、こもを織る
どれが正解なのか今はもう分からないが、幼かったころ強く印象に残っている冬の生活の一部。
そんなに大きなものではなく、うんと長いものでもなかったように記憶している。
写真を見ると藁というよりは萱を使っているようにも見える
カラコロカラコロと、リズムを刻むように糸巻を向こうへこっちへ、音が気持ちよく響いていた。
繰り返しているうちに、こもが出来上がった行く。
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フィルムを整理していくうちにワクワクする瞬間に出会うことが何度かあった。
この、こも作りもそういうフィルムの一つである。
村の中でどれくらいの家がこも作りをしていたのか分からないけれど、
秋から冬にかけての内職のようなものだったと記憶している。
近所でもこうして作っている家があって、
定かな記憶ではないけれど、家に上げてもらって作業に見入っていたことがある。
作業が不思議で楽しくて、自分もやらせてもらいたかったけれど、それはたぶんできていないはず。
見た記憶はあるけれど、作業台に触った記憶はない。
ただ、夢中になって時間を忘れ、
暗くなりはめたころに両親や姉が探しに来たことがあった。
我が家は湖畔の一軒家なので小さい子供が見えないというと、ずいぶん心配したのかもしれない
それが他所の家に上がり込んで、こも作りを見ていたのだから、
うんと叱られはしなかったけれど、呆れられ、ホッとされ、笑われたことは覚えている。
上がり込んだのが、この写真の家だったのかどうかも、もう分からない。
ただ、なつかしい思い出の一コマと重なる貴重な写真である。
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